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サネカズラ(実) マツブサ科 サネカズラ属 
2006年1月9日 豊橋自然歩道 Canon EOS 20D EF100mmMacro f/4.0 1/10sec ISO100

サネカズラは関東以西の本州・四国・九州に生育するツル性の常緑樹で雌雄異株。丘陵地帯の広葉樹林の林床や林縁などに生育する。古いつるはコルク質で太く、新枝は赤褐色で皮を剥ぐと粘る。葉は無毛で長さ5〜13cm。先端はやや尖り、革質。縁にまばらな鋸歯があって裏面は紫色を帯びる。花期はは8月頃で、葉腋に淡い黄白色の花を1個下向きにつける。花は径15mmほどで花びらと萼片が同じようになり10枚前後。雄花、雌花の雄しべや雌しべとも球状になる。花が終わると花床が丸く膨らみ、その周りに液果が球状に集まって径30mmほどの集合果となり、赤く熟す。ブドウのように房になっているわけではなく、和菓子の鹿の子豆のようになっていて、つぶつぶした塊全体が一つの実である。この実が美しいために実蔓(サネカズラ)という名前がついた。実は薬用として利用され、咳止めなどの効果がある。また、樹皮は粘液を含んでおり、鬢(びん)付け油(整髪料)の原料になったため「美男葛(ビナンカズラ)」の別名を持つ。