前の日 1月22日



ハンノキ カバノキ科 ハンノキ属 
2006年1月9日 葦毛湿原 Canon EOS 20D EF100mmMacro f/4.0 1/250sec ISO100

ハンノキは湿原や沼沢地に生育する高木で、日本全国に分布している。湿地とはいえ淀んだ場所ではなく、表流水がよく動く湿地や、湿ってはいるが排水がよく、地下水のよく動くところに多い木である。樹皮は暗灰褐色で、小さく割れてはがれる。葉は長さ5〜13cmで卵状長楕円形。基部はくさび型で先端も尖る。花は11月から4月にかけて咲く。花といっても、この木の花はウメやサクラのような目だった花弁がなく、ネコのしっぽのようなヒモ状の穂になってぶら下がり、お世辞にも美しい花とは言えない。この花は風媒花で、風によって花粉を飛ばし受粉する。受粉に虫を利用しないので美しく飾る必要がない訳である。風は虫のように確実に雌しべに花粉を運んでくれないので確実な受粉のために大量に花粉を飛ばす必要がある。そして、その花粉は往々にして人間にアレルギーを引き起こす。私も花粉症なので、あまりありがたくない花である。種子は長さ2mmほどで、モミジの種子のように小さな翼があって風で散布される。風任せの人生ならぬ樹生である。