前の日 4月16日 今日は何の日

 

ギフチョウ アゲハチョウ科 ギフチョウ属 
2006年4月9日 引佐町   Canon EOS 5D Tamron90mmMacro f/8.0 1/400sec ISO/200 

ギフチョウは、年に1回発生する日本固有の蝶。早春まだ残雪が残っている頃、人里近くの雑木林から飛び出す小型で可憐な美しいアゲハチョウ科の蝶である。成虫は午前中には日光浴や交尾をし、オス・メスともにカタクリ、スミレ類、サクラ類などの花に集まり蜜を吸う。午後は高いところを活発に飛びまわる。交尾後の♀は、幼虫の食草であるカンアオイの葉裏に数卵から十数卵まとめて産卵する。産卵された卵は約二週間でふ化し、葉裏で生活しながら5齢で終齢幼虫となる。初夏には岩や木の幹、落ち葉下などで蛹となり、そのまま越冬する。ギフチョウもまた、春のみ姿を現すスプリングエフェメラル(春のはかない命)なのである。
 引佐町渋川は、静岡県最大のギフチョウ多産地として有名である。ギフチョウは年々各地で多くの生息域を失っており、個体群間の遺伝子交流阻害による種の衰退が懸念されている為、ここではギフチョウを天然記念物に指定し、大事に保護している。もちろん採集は厳禁である。