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ジャノヒゲ ユリ科  ジャノヒゲ属 
2005年6月26日  葦毛湿原  Canon EOS 20D EF100mmMacro f/8.0 1/25sec ISO200

ジャノヒゲは北海道から九州、東アジアに広く分布する常緑の多年草。和名のジャノヒゲや別名のリュウノヒゲは細い葉を蛇や竜のひげにたとえたもの。葉は長さ10〜30cmで幅は2〜3mmと細い。地下茎があり、これで群落を形成する。根は所々で紡錘形に膨れる。この肥大化した根を麦門冬(ばくもんとう)と呼び、乾燥させて漢方薬として用いる。滋養強壮、咳止め、たんきり、解熱、利尿(りにょう)等に効能がある。7月頃に葉の間に5〜10cmの花穂を形成し、白〜淡紫色の花を咲かせる。果実は葉の根元で成熟し、身近では珍しいコバルトブルー色で印象的である。ハズミ玉といって昔、女の子の遊びに用いられたそうだ。ジャノヒゲは園芸上では地被植物(グランドカバー)として使われ、小道の境界や広く地面を覆うように植栽されることもある。常緑なので緑の少ない冬には貴重で、観賞をかねて薬草も採取できるすぐれた植物のひとつなのである。旧家ではよく見かけるので、西洋医学の発達していなかった時代に観賞用・家庭薬として広く植栽されていたのであろうか?先人の知恵が偲ばれる。
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