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ヒカゲチョウ 鱗翅目 ジャノメチョウ科 マネシヒカゲ亜科 
2005年6月26日  豊橋自然歩道  Canon EOS 20D EF100mmMacro f/4.5 1/100sec ISO400

日本特産種の中型のジャノメチョウ。雑木林の縁の草藪や薄暗い林縁的環境を好む。薄茶色の地味な色彩のチョウだが、はねの形はスマートで、裏面に目玉模様を持つ。飛翔は比較的緩やかで、長く飛び続けることはなく、すぐに下草などにとまる。訪花性はなく、主にクヌギ、コナラ、ヤナギ類などの樹液やヤマグワ、カキ、イチジクなどの腐果に集まる。日中は林内などで休息し、夕方や曇りの日に活発に活動する。
蝶が羽に目玉模様(眼状紋)をつける理由は、現在二つ考えられている。ひとつは天敵を脅かすのに使用するというもので、特に鳥類は眼状紋に対して極度の恐怖感を持つことが実験で証明されている。もうひとつは天敵が獲物を攻撃するとき一番捕らえやすい頭の部分をねらう性格を利用したもので、傷を負っても生存率の高い羽に眼状紋をつけてその部分を天敵に頭と思わせ、攻撃させるというもので、この様な目的に使用される眼状紋の大きさは鳥などには恐怖心を与えない程度の小さいものとなっている。ジャノメチョウの仲間は後翅に沢山の眼状紋がならんでいて、鳥が混乱して眼状紋のある後翅をつつくことが多いようである。美しい模様は弱者が生き延びるための精一杯の知恵なのである。