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サギソウ ラン科 ミズトンボ属 
2005年8月6日  葦毛湿原  Canon EOS 20D EF50mmMacro f/3.5 1/250sec ISO100

サギソウは本州から九州に分布する多年生の草本。泥質(鉱物質土壌)の湿原に生育する。葉の高さは10cm程度までであり、短い葉に十分な日照があるような草丈の低い場所が生育に必要である。地下には球根があり、これから発芽するが、数本の地下茎を伸ばしてその先端に次年度の球根を形成する。したがって、球根は1年限りということになり、サギソウは毎年生育条件のよい場所を求めて10cm前後移動しているわけである。
花期は7〜8月で、白鷺のような純白の大きな花をつける。自然のものとは思えないほど複雑で完成された形をしており、ウチョウランと並び日本を代表する蘭といえる。天然の原種は乱獲と開発のために保護区以外ではまず見ることができなくなってしまった。本種の仲間はコバノトンボソウなど花が緑色で小さく目立たないものが多いのだが、本種のようにひときわ存在感のある蘭は開発・乱獲の両面からプレッシャーを受けてしまう。