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ツリフネソウ ツリフネソウ科 ツリフネソウ属 
2005年8月28日  霧ヶ峰 Canon EOS 20D EF100mmMacro f/8.0 1/50sec ISO200

ツリフネソウは北海道から九州に分布し、谷沿いなどの半日陰・やや湿った場所に生育する。名前は、花の形とつき方が帆掛け舟を吊り下げたように見えることに由来する。また、ツリフネソウの学名の属名[Impatient]は、こらえきれないという意味で、熟した果実に少し触れるだけで種をはじきとばす特徴に由来している。種をはじき飛ばすといえば、ホウセンカ(鳳仙花)もツリフネソウ科ツリフネソウ属で、やはり同じ仲間である。
ツリフネソウの花弁は3枚であり、上側に1枚、下側の2枚は左右に広がっている。顎の下側のものは大きな袋となり、そのしっぽが長い距となってくるりと巻く。この中に密を溜め、虫を誘う。虫たちが蜜を求めて奥まで入ろうとすると、蕚片が上下に開き虫を包み込む状態になるので、上部にある花粉が虫の背中にいっぱい付く仕組みになっている。風ではなく、虫を利用して受粉する虫媒花なのである。種の繁栄のための工夫が面白い造形美となっている。