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ナンバンギセル ハマウツボ科 ナンバンギセル属  
2005年9月11日  新城 比丘尼城趾 Canon EOS 20D EF100mmMacro f/5.6 1/640sec ISO400

ナンバンギセルは主にススキの根に寄生するハマウツボ科の1年生草本。葉は退化しており、自らは光合成する能力がない。茎はごく短く、地表面付近にある。茎から何本かの高さ20cmほどの花茎をのばし、その上に横向きに花を咲かせる姿が、南蛮の煙管(パイプ)を思わせることからこの名前が付いた。恐らく少ない植物ではないと思われるが、花の時期しか姿を見せないことと、背丈の高いススキの中に埋もれて花を咲かせるので、目にすることは少ない。
葉は一切無く、全ての栄養分をススキに依存している。夏の終わりに紅紫色の花をつける。花が首を垂れて物思いにふけっている様な姿をしていることから、万葉集の中には 「思ひ草」の名で詠まれており、万葉人にも親しまれていたようだ。