前の日 9月19日


クズ マメ科 クズ属  
2005年9月11日  葦毛湿原周辺 Canon EOS 20D EF100mmMacro f/5.6 1/640sec ISO400

クズは日本各地に広く分布するツル植物で、秋の七草の一つ。8月の終わり頃から9月にかけて房状の花を咲かせるが、花は葉群の下になって目立たない。せっかくの美しさが残念である。伐採跡地や放棄畑、道路端などに繁茂し、大群落を形成していることも多い。盛夏には1日で1m程も伸びると言われるほど成長し、太い茎を伸ばして繁茂する。林業的にはせっかく植栽した樹木に巻き付いてしまう害草でもある。一応多年生草本に分類されるが、長らく生きたものは木本といってもよいほど太くなる。根には大量のデンプンが貯蔵されており、これからクズ粉を採る。この根はカッコン(葛根)とも呼ばれ、漢方薬として使われる(葛根湯など)。クズはツルを薪の結束に用いたり、茎の繊維からは葛布も織られ、根からの葛粉の採取など、昔から様々に利用されてきた。しかし、昨今ではそういった用途も無くなり、厄介者にしかなっていない処が不憫である。