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ヒガンバナ ヒガンバナ科 ヒガンバナ属  
2005年9月19日  鳳来町 Canon EOS KIssDN EF50mmMacro f/5.6 1/15sec ISO200

ヒガンバナは曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれる多年草。毎年、ちょうど秋のお彼岸頃に赤色の花を咲かせ、印象深い花である。古い時代に日本に持ち込まれた史前帰化植物の1つとされている。道端などに群生し、9月中旬に列をなして赤い花をつける。ヒガンバナの花は花茎の上に通常6個の花が咲く。花弁はリボン状で絡み合っており、雄しべや雌しべも長くて構造がわかりにくい。1つの花は花弁(花被)が6枚で細長く、縮れている。雄しべは6本、雌しべは1本で、長く飛び出ている。
花のあとで葉が伸びてくるが、冬と春を越して夏近くなると全く消えてしまい、花と葉を同時に見ることはできない。葉がある時には花が咲かず、花が咲くときには葉がないことから韓国では「サンチョ(相思華)」と呼ぶ。「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味である。このように、春から葉を落として休眠状態であったヒガンバナは、ちょうどお彼岸の中日(秋分の日)の前頃からいきなり花を咲かせる。これは全国一斉で、温度を感じているわけではないようである。土の中で休眠状態のヒガンバナがどのようにして秋分の日を知るのか、不思議な花である。
球根、鱗茎にアルカロイド(リコリン)を含む有毒植物であるが、この毒は水にさらして抜くことが可能であり、デンプンに富むため、古くは救飢植物として食用にされた。このため田畑の畝に植えられたのであろう。今でも稲田の畦には多く見られる。