前の日 9月24日


ツルボ ユリ科 ツルボ属  
2005年9月11日  新城市 比丘尼城趾 Canon EOS 20D EF100mmMacro f/8.0 1/60sec ISO400

ツルボは山野の日当たりのよい場所に生える、ユリ科の多年草。土手や田畑のあぜなど日当たりのよい草地に多く見られるが、海岸の崖の草地やちょっと薄暗い落葉樹林下にも生育している。春、3月の終わりごろ、多くの小さな春植物たちと同じように葉を出すが、すぐに花が咲くわけではない。春に出た葉は1ヵ月ほどですぐに枯れてしまう。そして夏は地上部なしで過ごす。花が咲くのは、秋のお彼岸頃。20〜30cmぐらいの花茎を伸ばして、淡い紅紫色の花をたくさんつける。この性質はヒガンバナと大変よく似ている。ところが少し違うのは、ヒガンバナは花時期に葉がまったく無いのだが、ツルボは葉のあるものとないものの2つのタイプがある事である。
別名をサンダイガサ(参内傘)と言う。公卿が宮中に参内するときに従者が差しかけた柄の長い傘に似る事が由来。なるほどと思わせる形をしている。目を閉じてこの小さな紅紫の参内傘を差し掛けた公卿の行列を想像すると、お伽の国を覗いたような気分になって愉快である。