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オオカマキリ カマキリ目 カマキリ科 
2005年11月13日  豊橋自然歩道 Canon EOS 5D EF100mmMacro f/8.0 1/250sec ISO1000

オオカマキリは緑色または茶色の大きなカマキリで、体長7〜9.5cmにもなり、日本本土のカマキリの中で最大となる。林の周縁に棲み、市街地でも見られ、日本では最も普通に見られるカマキリである。肉食性で、草や木の枝の上などで獲物を待ち伏せし、鎌形の前肢[ぜんし]を用いて捕える。食べ物は主に昆虫で、時に小型のカエルやヘビをも捕える。キクイタダキなど小型の鳥を捕獲して食べた記録もあるほどで、肉食昆虫の王者である。ヒトなどの大型の動物に向かっても前肢を上げ、後翅[こうし]を大きく広げて威嚇する。三角形の顔はひょうきんにも見えるが、やはり、どう猛なハンターの顔である。秋が深まり冬の声を聞くようになると、彼らは産卵の季節を迎える。泡が固まった卵嚢はおなじみであろう。これは雌の分泌する泡が固まったもので、中に空気を含んでいてサクサクと軽い。空気の幕で卵を冬の寒さから守っているのである。春にはこの卵嚢からたくさんの幼生たちが生まれてくる。不完全変態の代表選手であるカマキリの子らは、翅がなくて小さいだけで親と同じ姿をしている。しかし、カマキリの子供たちの生存率は決して高くない。子供のうちは、逆にトカゲやタカ、モズなどに捕食されてしまい、相当数が大人になるのを待たず命を落としてゆく。厳しい生存競争の中で生き延びた者だけが最強の肉食昆虫になれるのである。