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ユズリハ(実) ユズリハ科 ユズリハ属 
2005年12月18日  浜松動植物園 Canon EOS 5D EF70-200mmF4L f/4.0 1/100sec ISO1600

ユズリハは福島県以西の本州・四国・九州に分布する常緑小高木。葉の表面には光沢があり深い緑色をしている。葉柄は赤みを帯びることが多い。新しい葉が成長してから古い葉が譲って落ちるのでこの名がついたといわれる。その名のとおり、ユズリハの葉は新芽が出ても落ちず、翌年孫葉が出てから落ちる。これを子供が立派に成長したのを見届けたのち家督を子供に譲り、家系が途切れることなく続いていくことの象徴と見なして、縁起物とされている。鏡餅を飾る際、半紙のうえにウラジロとユズリハの葉を敷き、その上に太陽と月をあらわす二つのお餅を置き、その上にダイダイを置く。代々までのダイダイ、長寿の象徴のウラジロ、一家の繁栄を象徴するユズリハの葉で縁起を担ぐ訳である。
果実は核果、直径8〜9mmの楕円形で、最初は紅色だが熟すと黒紫色に変わる。樹皮や葉に有害のアルカロイドがあり、食べると呼吸麻痺などの中毒をおこす。また果実にはダフラクトンーBやアントシアン系物質がある。民間薬として、樹皮、葉の乾燥したものを煎じておできの薬として使う。また家畜やイヌ、ネコなどの駆虫薬として用いられる。