葦毛湿原を代表する花のひとつである。三河湾周辺の酸性土壌にのみ生えるのでミカワの名が冠せられている。高山植物のコバイケイソウに近似している。氷河期の遺存植物と言われ、氷河期の終りに気温が高くなるにつれて高山に移動していったのがコバイケイソウで平地に生き残ったのがミカワバイケイソウとされている。市街地に近い湿原で高山植物の近縁種が見られることも葦毛湿原の人気の所以である。
花びらは白く、縁が切れ込んでいて黄色の雄しべが突き出ているのが特徴。すらっと背が高く、蕾が真珠の王冠のように見えるからか「湿原の女王」とも呼ばれる。遠くから眺めても良いが、近くで見ると更に美しい。