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ヒメカンスゲ カヤツリグサ科 スゲ属. 
2006年3月12日 葦毛湿原(周辺) Canon EOS 5D EF50mmMacro F/11.0 1/20sec ISO800

ヒメカンスゲは北海道から九州に分布する多年草。アカマツ林やコナラ林など、明るい二次林中に生育する。常緑であり、冬季にも緑葉を維持している。葉は幅2〜4mmで濃緑色。3月頃から高さ10〜20cmの花茎を出す。最上部には暗褐色の目立つ雄小穂があり、その下部に雌小穂がある。通常、匐枝がないので株状に生育し、均質なマット状にはならない。株の基部にはシュロ毛が目立ち、葉の基部は紫褐色の縦筋が目立つ。イネ科やカヤツリグサ科の植物では、小さい花(小花)がまとまって集団となっているのが普通で、このような小花の集団を小穂(しょうすい)とよぶ。茎の先端の小穂は、雄小穂で、雄花ばかりの集団である。薄黄色の花びらのように見えるのは、花粉を飛ばす役目をする"葯"と呼ばれる袋状のもの。雄小穂の下にあるのは雌小穂で、雌花だけの集団である。
 小穂の基部に苞があり、その鞘の部分が赤褐色をしていることが多いので、この点に注意を払えば、難しいスゲの中でも、ヒメカンスゲは割に分かり易い。