前の日 3月20日


イチリンソウ キンポウゲ科 イチリンソウ属 
2006年3月19日 豊橋市 石巻地区 Canon EOS 5D EF70-200mmF4.0(200mm) F/4.0 1/8000sec ISO800

イチリンソウは宮城県以南の本州、四国、九州に生育する多年草。落葉広葉樹林の中や山麓の土手の腐植の厚い肥沃地を好む。高さは20〜30cmほど、茎葉は3枚が輪生し、それぞれ3出複葉で小葉には深い切れ込みが多数あり有柄。 茎葉の間から長い花柄を伸ばし、先端に径が4cmほどの白い花をつける。真っ白な5枚の花弁状の萼片をもつ大型の花である。 名の由来は、茎に花が1個だけつくことからで「一輪草」の意味だが、個体差があり、時として2〜3輪がつくようである。同じ仲間にニリンソウ、サンリンソウがあるが、イチリンソウは花の大きさが倍以上なので識別し易い。この花もカタクリ、フクジュソウ、セツブンソウ等と同じく、スプリングエフェメラルである。
 スプリングエフェメラルとは、周りの木々が葉を開く前の早春に茎や葉を地上に出して花を開き光合成を行い、木の葉で陰になる初夏には地上部が枯れてしまい、地下の根茎で後の季節をひっそりと暮らす、春の日の夢とでもいうような生物を指す言葉。「春の妖精」とも言い、はかなげなイメージがいとおしさを誘う。