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シデコブシ モクレン科 モクレン属  
2005年4月10日 田原市  Canon EOS 20D Tamron90mmMacro f/8.0 1/400sec ISO/400 

シデコブシは周伊勢湾要素植物で、主に東海地方の一部地域の湿地や渓流筋に自生する日本の固有種。分布が限定されているうえに湿地周辺という限られた立地に生育する種であることもあって、生育基盤の脆弱な種で、開発などの影響も少なからず受けて減少しており絶滅危急種に指定されている。シデコブシのシデの意味は、多弁の花びらが垂れ下がった様子が神道で使う玉串やしめ縄のシデ(四手・垂)に似ているところからきている。
 渥美半島にはシデコブシの群落がいくつかあるが、そのうち特に、椛(なぐさ)のシデコブシは国の天然記念物に指定されている。周伊勢湾要素植物で自生地域が限定されており、日本固有の植物のため、その価値が早くから認められていたためであろう。また近くには、「伊川津のシデコブシ」群落もあり、更に「黒河湿地」「藤七原湿地」等にも成育し、県下でも有数のシデコブシの自生地となっている。
 シデコブシの淡い紅色の花は、コブシやモクレンとは違った風雅な味わいがある。