タチシオデは本州から九州、朝鮮・中国に分布する多年草。山地の林縁や明るい草原などに生育する。シオデと同じユリ科シオデ属である。シオデはすぐに他の植物に巻き付くがタチシオデは茎が直立し、その後葉柄の基部から巻きひげを出して他の植物にからみつく。雌雄異株である。雄花の花被片は6枚、雄しべは6本で葯は小さく、楕円形で長さ1mm弱。雄花の花序は花火のように散開する。雌花の花序は密集した球状の散形であり、花被片は6枚、柱頭は3つに分かれている。シオデと違い花弁が反り返らない。緑色なので目立たず地味ではあるが趣のある花である。シオデの若芽はおいしい山菜として知られており、タチシオデも若芽は食べられるそうである。