暦の雑節
 暦には、二十四節気五節句と言った暦日以外に、生活の中から自然発生的に生まれた民俗行事・年中行事が古くから記されるようになり、これを総称して「雑節」と呼んでいます。二十四節気や七十二候 は中国生まれですが、八十八夜は日本生まれ。中国の暦には無いものでしたが、日本での実生活上の必要性から記載されるようになった日本生まれの言葉です。

 ここでは主な雑節として
   土用(入)、節分、彼岸(入・中日・明)、社日、
   八十八夜、入梅、半夏生、二百十日、二百二十日
の8種類17日について表示しています。
西暦 2005 年(平成 17 年)の雑節
名称月日内容の解説
冬土用入01 / 17この日から次の立春の直前までが「土用」の期間。 (* 297)
節分02 / 03節分 「季節を分ける」ことから節分という。本来は春夏秋冬全てに節分があるが、現在は春の節分だけを「節分」と呼ぶようになった。かつては大晦日的な意味合いもあり、「鬼やらい」の行事が行われ、「節分の豆まき」として現在にも伝わっている。 (**)
彼岸入(春)03 / 17この日を含めた7日間が彼岸の期間。 (***)
彼岸03 / 20「彼岸の中日」と呼ばれる。古くから「彼岸会」と呼ばれる仏教行事が行われるが、他の仏教国には無い日本独特の行事。
先祖の供養、墓参りを行う慣習がある。 (* 0)
彼岸明(春)03 / 23彼岸の期間の最後の日 (***)
社日(春)03 / 25春分・秋分にもっとも近い戊(つちのえ)の日。生まれた土地の産土神(うぶすながみ)に参拝する日。 (***)
春土用入04 / 17この日から次の立夏の直前までが「土用」の期間。 (* 27)
八十八夜05 / 02立春から88日目。「八十八夜の別れ霜」等と言われ、遅霜の時期と言われる。また、唄で知られる一番茶摘みの頃でもある。 (**)
入梅06 / 11暦の上での梅雨入り。 (* 80)
半夏生07 / 02梅雨の末期、天地に毒気が満ち、半夏(ハンゲ)という毒草が生ずると考えられた。なお、「ハンゲ」はサトイモ科カラスビシャクとされる。 (* 100)
夏土用入07 / 19この日から次の立秋の直前までが「土用」の期間。酷暑の時期。「土用丑の日」とはこの夏の土用期間中の「丑の日」を指す。 (* 117)
二百十日09 / 01立春から210日目。嵐の襲来する時期として恐れられた。 (**)
二百二十日09 / 11立春から220日目。二百十日同様、嵐の襲来する時期として恐れられた。 (**)
彼岸入(秋)09 / 20この日を含めた7日間が彼岸の期間。 (***)
社日(秋)09 / 21春分・秋分にもっとも近い戊(つちのえ)の日。生まれた土地の産土神(うぶすながみ)に参拝する日。 (***)
秋の彼岸09 / 23「彼岸の中日」。行事は春の彼岸と同様であるが、春の彼岸と区別するため、秋の彼岸と呼ばれる。 (* 180)
彼岸明(秋)09 / 26彼岸の期間の最後の日 (***)
秋土用入10 / 20この日から次の立冬の直前までが「土用」の期間。 (* 207)
表中の注意事項
*
太陽の視黄経によって日付が決まるもの(並記された数字が定義された太陽黄経(度)を表しています)。
**
立春の日からの日数で決まるもの。
***
春分・秋分日付によって決まるもの。
その他の注意
「社日」は、春分・秋分の直近の「戊の日」ですが、戊と戊の中間に春分・秋分が来る場合、春分・秋分の瞬間が午前中ならば前の戊の日、午後ならば後の戊の日としています。

七十二候 解説
 七十二候は二十四節気の各節気をさらに3つの候に細分し、季節の移ろいを気象や動植物の成長・行動などに託して表したものです。ただ、一候が5日程度と短いため地域差や年毎の気候の違いにより、現実とはそぐわないことも多いので、あくまで目安と考えて下さい。
 また、七十二候は中国で生まれたものですが、日本に伝わってから気候の違いや日本に生息しない動植物などの名前を入れ替えるなど、時代や編者により多くの版があり、どれが正しいとは言えないのが現状です。